中国について その8 「本場の中華料理は、日本より美味しいのか?」
今回は、飲食の話です。
これに関しては、私個人の意見であると最初に断っておきます。
グルメツアーなんかで、中国・香港・台湾・シンガポールなどに行かれる方がいます。私がよく聞かれる質問は「本場の中華って日本より美味しいの?」です。好みにもよりますが、平均点は日本の方が高いと思います。日本人たちが大体団体旅行で行くお店は、一流のレストランです。中国や台湾では、一流のお金を出せば一流の味が出てきます。でもその辺の横丁で三流のお金しか出さないなら、出てくる味も三流でしかありません。そういう安いお店では、家事代行程度の認識で来ているお客さんなので、味は求めてきません。だから「孤独のグルメ」みたいに、ふらりと入った安いお店が美味しかったと言うような、ドラマチックな出来事はあまり期待できません。
ところが日本では、三流のお金でも一流に近い味を出さないとお客は来ません。私は街をぶらつき、美味しそうだと思ったお店に入るのが好きです。私が入ると大抵は中国人シェフで、期待通りの味が出てきます。私は中国語で「日本で飲食店はどうだい?」と聞きます。大抵は「本気で作らないと客が来ないから、たいへんだよ!」と言います。
だから、私にとっては1. 中国人が日本で作る中華料理、あるいは中国の一流飯店の中国料理2. 日本人が日本で作る中華料理3. 中国人が中国で作る廉価食堂の中国料理この順番になります。やはり、本気で作ると中国人の方が好みです。中国人はどこか適当に作るので味に幅が出て美味しく感じるのです。日本人はキッチリ作り過ぎて、味の広がりが中国人に及ばないと感じるのです。